開店を待つ客たちが

胡枇最大の百貨店 星白(ほじろ)屋前の広場に、 息せき切ってたどり着いたときは、
 集合時間ぎりぎりだった。
 早めにやって来た 開店を待つ客たちが、 すでに三々五々集まり始めている。
 定休日開けの乙日だから、
 星白屋の催事が新しくなるのを目当てに、 いつもより人が多い色素 沉澱
 屋上から
 『コメダワラ?リュウの世界』 と開催日程が派手に書かれた 垂れ幕が下がっている。
 催し物のお知らせは 常時 大きな電光掲示板に流れているが、
 古式ゆかしい垂れ幕方式のほうが、 何といっても目立つ。
 止められないところだろう。
 何しろ 商売上手で有名な 星来の一族が経営しているのだ。
 見た目のかっこよさより 実利を重んじた なりふりかまわぬやり方は、
 ご先祖様からの伝統に のっとっているらしい激光 脫毛

 入り口で開店を待っている人々の中に、
 場違いっぽい汚い学生が 集団になっている場所を見つけて急いだ。
 うちの科は 何せ少人数だから、 遅刻なんてしようものなら目立って仕方がない。
 出席をごまかすなんて不可能なのだ。

「ちょっと、ちょっと、 全員来てる?  虚維(そらい)、 あんた遅いわよ。
 いつもやることがノロイわね。 ちゃっちゃとしなさい」
 あはっ、 また怒られた。
 わめく加太和布教授の声に 振り向く人がいる。
 どこかで聞いた声だと 思い当たるのかもしれないが、
 コロコロした姿を見つけると、 不思議そうな顔をしながら視線を戻す。
 テレビで聞いた声の印象と 姿が一致しないのだろうpico 去斑